【元銀行住宅ローンセンター担当が解説】住宅ローンの融資実行とは?決済日当日の流れを初心者向けに解説

住宅ローン

住宅ローンの本審査に通り、金消契約まで終わると、いよいよ「融資実行」を迎えます。

しかし、初めて住宅を購入する人にとっては、

「融資実行って何?」

「住宅ローンのお金は自分の口座に振り込まれるの?」

「決済日には何をするの?」

「融資実行と物件の引き渡しは同じ日?」

など、分からないことも多いのではないでしょうか。

住宅ローンの融資実行とは、金融機関が住宅ローンの資金を実際に貸し出すことです。

一般的な住宅購入では、融資実行された住宅ローンと自己資金などを使って売主へ残代金を支払い、登記手続きを行い、物件の引き渡しへと進みます。

私は銀行の住宅ローンセンターで住宅ローン業務に携わってきました。

この記事では、その経験も踏まえて、

  • 住宅ローンの融資実行とは何か
  • 融資実行日はいつなのか
  • 決済日当日の流れ
  • 住宅ローンのお金はどこに振り込まれるのか
  • 自己資金はいくら必要なのか
  • 融資実行前に確認しておきたいこと

について、初心者にも分かりやすく解説します。


住宅ローンの「融資実行」とは?

住宅ローンの融資実行とは、簡単にいうと、

金融機関から住宅ローンの資金が実際に貸し出されること

です。

住宅ローンでは、事前審査や本審査に通っただけでは、まだ実際にお金を借りたわけではありません。

一般的な流れを簡単にすると、

事前審査
↓
本審査
↓
本審査承認
↓
金消契約
↓
融資実行
↓
残代金決済・登記
↓
物件引き渡し

となります。

実際の順序や手続き方法は、金融機関や不動産取引の内容などによって異なる場合があります。

つまり、

本審査承認=住宅ローンを利用できるか審査した段階

金消契約=住宅ローンを借りる契約を締結する段階

融資実行=住宅ローンのお金が実際に動く段階

と考えると分かりやすいでしょう。


融資実行日と決済日は同じ?

住宅購入では、住宅ローンの融資実行日と売買代金の決済日を同じ日に設定するケースが一般的です。

住宅ローンの融資金を使って、売主へ残代金を支払うためです。

たとえば4,000万円の住宅を購入するとします。

すでに手付金として200万円を支払い、

住宅ローン:3,500万円
残りの自己資金:300万円

という資金計画だった場合、決済時には、

住宅ローン3,500万円+自己資金300万円=3,800万円

を使って残代金を支払うイメージです。

ただし実際には、物件代金以外にも、

  • 仲介手数料
  • 登記関係費用
  • 住宅ローン関係費用
  • 固定資産税等の精算金

などが必要になる場合があります。

そのため、決済日までに自己資金をいくら準備する必要があるのかを事前に確認しておくことが重要です。


住宅ローンの融資実行・決済日当日の流れ

実際の手続きは金融機関や取引内容によって異なりますが、一般的な住宅売買をイメージして確認してみましょう。

①登記関係書類などを確認する

住宅の決済には、

  • 買主
  • 売主
  • 不動産会社
  • 金融機関
  • 司法書士

など、複数の関係者が関わります。

司法書士が本人確認や登記に必要な書類などを確認し、所有権移転や抵当権設定などの登記手続きを進められる状態か確認します。

書類などに問題がなければ、融資実行へ進みます。


②住宅ローンが融資実行される

必要な確認が完了すると、金融機関が住宅ローンを融資します。

たとえば3,500万円を借りる契約なら、この段階で住宅ローン3,500万円の融資が実行されます。

ここで、

「3,500万円が自分の口座に入って自由に使えるの?」

と思う人もいるかもしれません。

住宅ローンは住宅購入などを目的としたローンです。

借主の口座を経由して売主などへ振り込む場合などがありますが、具体的な資金移動の方法は金融機関や取引内容によって異なります。

事前に金融機関から案内された方法を確認しておきましょう。


③売主へ残代金を支払う

住宅ローンの融資金や自己資金を使って、売主へ売買代金の残額を支払います。

すでに手付金を支払っている場合には、

売買価格-すでに支払った手付金など=決済時に支払う残代金

という考え方になります。

また、決済時には売主への残代金以外にも、

  • 仲介手数料
  • 登記費用
  • 司法書士報酬
  • 固定資産税等の精算金
  • その他の諸費用

などの支払いが発生する場合があります。

誰に、いくら、どのように支払うのかを事前に確認しておきましょう。


④売主側で着金を確認する

振込手続きが行われたら、売主側で残代金の着金を確認します。

住宅購入では数千万円という大きなお金が動くため、振込手続きから着金確認まで多少時間がかかる場合があります。

決済日は、時間に余裕を持って予定を組んでおくと安心です。


⑤司法書士が登記申請を行う

決済が完了すると、司法書士が必要な登記申請を進めます。

中古住宅などの売買であれば、売主から買主への所有権移転登記などを行います。

住宅ローンを利用する場合には、金融機関の抵当権設定登記も行われるのが一般的です。

登記については専門的な手続きが多いため、司法書士が重要な役割を担います。


⑥物件の引き渡しを受ける

残代金の支払いなどが完了すると、物件の引き渡しへ進みます。

売主などから、

  • 鍵
  • 設備関係の書類
  • その他物件に関する書類

などを受け取ります。

これで住宅購入における大きな手続きが完了します。

ただし、融資実行日・決済日・物件引き渡し日が必ずすべて同じになるとは限りません。

具体的な日程については、売買契約や不動産会社などからの案内を確認しましょう。


住宅ローンのお金は自分の口座に振り込まれる?

住宅ローンの融資金がどのように動くかは、金融機関によって異なります。

金融機関によっては、

金融機関
↓
借主名義の口座
↓
売主などの口座

という形で資金を動かす場合があります。

一方、具体的な資金移動方法が異なる金融機関もあります。

重要なのは、

「一度自分の口座に入ったから自由に使えるお金」ではない

ということです。

住宅ローンの融資金は、住宅購入など契約で定められた目的のために使用します。

具体的な振込方法については、金消契約や決済前の打ち合わせなどで確認しておきましょう。


融資実行日に自己資金はいくら必要?

必要な自己資金は住宅購入の資金計画によって異なります。

たとえば、

物件価格:4,000万円
住宅ローン:3,500万円
支払済み手付金:200万円

なら、単純な物件代金だけで考えると、

4,000万円-3,500万円-200万円=300万円

の自己資金が必要です。

しかし実際には、

  • 登記費用
  • 仲介手数料
  • 住宅ローン関係費用
  • 火災保険料
  • 税金等の精算金

などが別途必要になる場合があります。

そのため、

「決済日までに自分はいくら準備すればいいのか」

を資金計画書などで確認しておきましょう。


融資実行日までに確認したい5つのこと

1.必要な自己資金

決済日に必要となる自己資金を確認します。

特に注意したいのが、住宅購入に使う予定のお金を、決済前に家具や家電、車など別の用途に使ってしまうことです。

必要な自己資金は確実に残しておきましょう。

2.支払先と金額

売主だけでなく、

  • 不動産会社
  • 司法書士
  • その他の支払先

などについても、必要な金額と支払方法を確認します。

3.必要書類

金融機関、不動産会社、司法書士などから指定された書類を準備します。

「本審査で提出したから大丈夫」と自己判断せず、決済日に必要なものを改めて確認しましょう。

4.融資実行日・決済日・引き渡し日

それぞれの日付を確認しておきましょう。

同じ日に行われる場合もありますが、取引によって異なるケースもあります。

5.住宅ローンの最終的な契約内容

少なくとも、

  • 借入金額
  • 適用金利
  • 金利タイプ
  • 返済期間
  • 毎月の返済日
  • 初回返済日

などは把握しておきたいところです。


融資実行時の金利にも注意

住宅ローンでは、いつの金利が適用されるのかも重要です。

住宅ローン商品によっては、

  • 申込時
  • 契約時
  • 融資実行時

など、金利が決まるタイミングが異なります。

そのため、

「住宅ローンを申し込んだ日に表示されていた金利が、そのまま融資実行時にも適用される」

とは限りません。

住宅ローンの申込から融資実行まで数か月かかる場合、その間に金利水準が変化する可能性もあります。

どの時点の金利が適用されるのか、金消契約などの際に確認しておきましょう。


融資実行が予定日にできないことはある?

通常は融資実行日に向けて、金融機関、不動産会社、司法書士などが準備を進めます。

しかし、

  • 必要書類がそろっていない
  • 融資条件を満たしていない
  • 登記関係の問題がある
  • 契約内容に大きな変更が生じた

などの事情があれば、予定どおり手続きが進まない可能性があります。

そのため、

「金消契約まで終わったから、あとは何もしなくていい」

とは考えず、融資実行まで必要な手続きを確実に進めましょう。


融資実行後、住宅ローンの返済はいつから始まる?

融資実行されたその日に、住宅ローンの最初の返済が行われるとは限りません。

初回返済日は、

  • 融資実行日
  • 毎月の約定返済日
  • 金融機関の商品内容

などによって異なります。

また、初回の返済額が通常月と異なる場合もあります。

そのため、金消契約などの際に、

「初回返済日はいつか」

「初回返済額はいくらか」

を確認しておくと安心です。


融資実行後に忘れたくないこと

無事に住宅を購入すると、

「これで住宅購入の手続きは全部終わった」

と思うかもしれません。

しかし、住宅購入後にも確認しておきたいことがあります。

たとえば、

  • 住宅ローン返済口座への入金
  • 火災保険・地震保険
  • 固定資産税など
  • マンションの場合は管理費・修繕積立金
  • 住宅ローン控除の手続き
  • 引っ越しに伴う住所変更

などです。

住宅購入は決済がゴールではなく、そこから長期間の住宅ローン返済と住宅の維持が始まります。

購入後の家計まで含めて考えておきましょう。


元銀行住宅ローンセンター担当として伝えたいこと

住宅ローンの融資実行日は、住宅購入における非常に重要な日です。

何千万円という住宅ローンが実際に動き、

融資実行
↓
売主への残代金支払い
↓
登記手続き
↓
物件引き渡し

へと進んでいきます。

とはいえ、住宅購入者がすべての実務を自分一人で行うわけではありません。

金融機関、不動産会社、司法書士などがそれぞれの役割を担います。

住宅購入者にとって重要なのは、

「自分がいつまでに何を準備する必要があるのか」

を把握しておくことです。

特に、

自己資金

必要書類

支払先と金額

融資実行日

適用金利

初回返済日

は確認しておきたいところです。

分からないことがあれば決済当日まで放置せず、金融機関や不動産会社などへ早めに確認しましょう。


よくある質問

Q.住宅ローンの融資実行とは何ですか?

金融機関から住宅ローンの資金が実際に貸し出されることです。

本審査承認や金消契約とは異なる段階です。

Q.融資実行日と決済日は同じですか?

住宅購入では同じ日に設定されるケースが一般的ですが、具体的なスケジュールは取引によって異なります。

Q.融資実行されたお金は自分の口座に入りますか?

借主本人の口座へ入金した後、売主などへ送金する金融機関もあります。

具体的な資金移動は金融機関によって異なるため、利用する金融機関へ確認しましょう。

Q.物件の鍵はいつもらえますか?

一般的な不動産売買では、残代金の支払い・着金確認などが完了した後に鍵の引き渡しへ進みます。

具体的なタイミングは売買契約や取引内容によって異なります。


まとめ|融資実行は住宅ローンのお金が実際に動く重要な日

住宅ローンの融資実行とは、

金融機関から住宅ローンの資金が実際に貸し出されること

です。

一般的な流れを整理すると、

事前審査
↓
本審査
↓
金消契約
↓
融資実行
↓
残代金決済
↓
登記
↓
物件引き渡し

となります。

融資実行・決済に向けて、

  • 自己資金
  • 支払先と金額
  • 必要書類
  • 融資実行日
  • 適用金利
  • 初回返済日

などを確認しておきましょう。

また、融資実行までは住宅ローン手続きが完全に終わったわけではありません。

新しい借入や転職など、審査・契約時から大きな変更が生じる場合には金融機関へ確認することが大切です。

金消契約から融資実行、決済、物件引き渡しまで確実に進めて、住宅ローンの手続きを完了させましょう。

プロフィール
この記事を書いた人

元銀行住宅ローンセンター担当。2児の父。
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー・住宅ローンアドバイザー。
銀行の住宅ローンセンターにて勤務し、
新規審査、借換相談、返済計画の見直しなど、
数多くの住宅ローン相談に携わってきました。

現場で強く感じたのは、
「知識があれば防げたはずの後悔」が非常に多いということです。

住宅ローンは人生最大の借入。
しかし、多くの方が十分に理解しないまま契約してしまい、
その後に不安を抱えるケースを何度も見てきました。

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それが将来の安心につながると考えています。

現在は情報発信やセミナーを通じて、
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