住宅ローンを申し込むとき、
「車のローンが残っているけど住宅ローンは借りられる?」
「住宅ローンを申し込む前に自動車ローンを完済した方がいい?」
「車のローンがあると住宅ローン審査に落ちる?」
と不安になる人もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、自動車ローンが残っていても住宅ローンを借りられる可能性はあります。
ただし、自動車ローンの返済額は住宅ローン審査に影響する可能性があります。
住宅ローンの審査では、住宅ローンだけではなく、自動車ローンなど他の借入も含めて返済能力を確認するためです。
そのため、
「自動車ローンがある=住宅ローンを借りられない」
ではありませんが、借入可能額に影響したり、希望する金額まで借りられなかったりする可能性があります。
私は銀行の住宅ローンセンターで住宅ローン業務に携わってきました。
この記事では、その経験も踏まえて、
- 車のローンが住宅ローン審査に与える影響
- 自動車ローンがあっても住宅ローンを借りられるケース
- 住宅ローン審査前に自動車ローンを完済するべきか
- 車を買うタイミング
- 住宅ローン審査中に注意したいこと
について、初心者にも分かりやすく解説します。
車のローンは住宅ローン審査に影響する?
自動車ローンは、住宅ローン審査に影響する可能性があります。
住宅ローンを審査するとき、金融機関は住宅ローンだけを見ているわけではありません。
申込者がすでに抱えている借入についても確認します。
たとえば、
- 自動車ローン
- カードローン
- クレジットカードの分割払い
- リボ払い
- その他のローン
などです。
住宅ローンと他の借入を合わせても、無理なく返済を続けられるかが重要になります。
そのため、自動車ローンが残っている場合、その返済額によって住宅ローンの借入可能額が小さくなる可能性があります。
車のローンがあっても住宅ローンは借りられる
ここは誤解しないようにしましょう。
自動車ローンが残っているだけで住宅ローン審査に落ちるわけではありません。
たとえば、
年収に対して自動車ローンの返済額がそれほど大きくなく、住宅ローンを加えても十分に返済できると判断されれば、住宅ローンを借りられる可能性があります。
反対に、
- 自動車ローンの返済額が大きい
- 住宅ローンの希望額が大きい
- その他にも借入がある
といった場合には、住宅ローン審査への影響が大きくなる可能性があります。
重要なのは、
「車のローンがあるかどうか」だけではなく、「すべての借入を合わせた返済負担がどの程度になるか」
です。
住宅ローン審査では返済負担率が重要
住宅ローンを考えるうえで知っておきたいのが、
「返済負担率」
です。
返済負担率とは、年収に対して年間のローン返済額がどの程度を占めているかを示す指標です。
たとえば、
年収600万円
年間ローン返済額180万円
なら、
180万円 ÷ 600万円 × 100
で、返済負担率は30%になります。
この「年間ローン返済額」を考えるとき、住宅ローンだけではなく、自動車ローンなどの返済も影響する場合があります。
車のローンが住宅ローン借入額に影響する例
簡単な例を考えてみましょう。
年収600万円の人が、
毎月3万円の自動車ローン
を返済しているとします。
年間では、
3万円 × 12か月=36万円
です。
住宅ローンを借りる前から年間36万円の返済を抱えていることになります。
自動車ローンがなければ、その分だけ住宅ローン返済に使える余力が大きくなります。
そのため、
同じ年収でも、自動車ローンがある人とない人では住宅ローンの借入可能額が変わる可能性があります。
特に毎月の自動車ローン返済額が大きい場合には注意しましょう。
車のローンはいくら残っているかより「毎月の返済額」にも注目
「車のローンがあと100万円残っています」
という残高だけを気にする人もいます。
もちろん残高も確認される要素の一つですが、住宅ローンの返済能力を考えるうえでは、
毎月いくら返済しているのか
という点も重要です。
たとえば、同じ100万円の残高でも、
毎月1万円返済している場合と、
毎月5万円返済している場合では、
毎月の家計への負担は異なります。
住宅ローンを検討するときには、
自動車ローン残高だけではなく、年間でいくら返済しているか
も確認しておきましょう。
住宅ローンを申し込む前に車のローンを完済するべき?
住宅ローンを検討している人からすると、
「それなら自動車ローンを全部返してしまった方がいいのでは?」
と思うかもしれません。
自動車ローンを完済することで、住宅ローン審査上の返済負担を減らせる可能性があります。
特に、
- 希望する住宅ローン金額に届かない
- 返済負担率が高い
- 自動車ローンの毎月返済額が大きい
といった場合には、完済を検討する意味があります。
ただし、必ず完済するべきとは限りません。
車のローン完済で貯金を減らしすぎるのも注意
たとえば、
預貯金300万円
自動車ローン残高200万円
だったとします。
住宅ローン審査のために自動車ローン200万円を一括返済すれば、預貯金は100万円になります。
自動車ローンはなくなりますが、住宅購入では、
- 頭金
- 登記費用
- 住宅ローンの事務手数料
- 火災保険料
- 引っ越し費用
- 家具・家電購入費
など、さまざまなお金が必要になります。
さらに住宅購入後にも急な支出が発生する可能性があります。
そのため、
「住宅ローン審査に有利になるから」という理由だけで手元資金を大きく減らすことには注意が必要です。
自動車ローンを完済するべきかは、住宅ローンを申し込む金融機関などに相談しながら判断するとよいでしょう。
「車のローンを完済する条件」で住宅ローンが承認されることもある
住宅ローン審査では、
現在の自動車ローンを完済することを前提として審査する
ケースもあります。
つまり、
「自動車ローンが残ったままでは希望金額を借りるのが難しいものの、住宅ローンの融資実行までに自動車ローンを完済するなら検討できる」
というケースです。
ただし、金融機関によって取り扱いは異なります。
完済条件となった場合には、
いつまでに完済する必要があるのか
完済したことを証明する書類が必要なのか
などを金融機関に確認しましょう。
車のローンを住宅ローンの申告から隠すのはNG
自動車ローンが住宅ローン審査に影響するのが心配だからといって、
「申告しなければ分からないだろう」
と考えてはいけません。
住宅ローンを申し込む際には、現在の借入状況について正確に申告しましょう。
金融機関は住宅ローン審査の中で信用情報なども確認します。
申込内容と実際の借入状況が異なれば、審査に悪影響を与える可能性があります。
自動車ローンに限らず、
- カードローン
- リボ払い
- 分割払い
などについても、求められた内容を正確に申告することが重要です。
これから車を買うなら住宅ローンとどちらを先にする?
住宅と車の両方を購入する予定がある場合、
できれば住宅ローンの審査・融資実行への影響を確認してから、自動車ローンを組むことをおすすめします。
住宅ローンの審査前に大きな自動車ローンを組めば、住宅ローンの借入可能額に影響する可能性があります。
特に注意したいのが、
住宅ローンの事前審査に通った後です。
事前審査に通ったからといって、住宅ローンの融資が確定したわけではありません。
その後、
本審査
↓
金消契約
↓
融資実行
と進んでいきます。
この途中で新たに自動車ローンを組むと、申込時から借入状況が変わってしまいます。
住宅ローン審査中に車のローンを組むのは注意
住宅ローンの事前審査や本審査を進めている間に、
「車も買い替えよう」
と考えることもあるでしょう。
しかし、住宅ローンの融資実行前に新しい借入を増やすことには注意が必要です。
たとえば、
住宅ローン事前審査時
自動車ローンなし
だった人が、
本審査前に300万円の自動車ローンを契約
した場合、住宅ローンを申し込んだときとは返済状況が変わります。
住宅ローンの融資実行が終わるまでは、新しいローンを組む前に住宅ローンを申し込んでいる金融機関へ相談する方が安心です。
車を現金で買えば住宅ローン審査に影響しない?
自動車ローンを利用せず、現金で車を購入すれば、新しいローン返済は発生しません。
その意味では、自動車ローンを組む場合とは状況が異なります。
ただし、
住宅購入直前に現金を大きく減らすこと
には別の注意があります。
住宅購入には諸費用などの現金が必要になることがあります。
そのため、
「ローンを組まないために500万円の車を現金で購入した結果、住宅購入に必要な現金が不足した」
となっては本末転倒です。
住宅と車を同じ時期に購入する場合には、
ローンだけではなく手元資金も含めて考える
ことが重要です。
車の残価設定ローンも申告する?
車を購入するときには、
残価設定型クレジット(残クレ)
を利用する人もいます。
「普通のマイカーローンではないから住宅ローンには関係ない」
と思わず、住宅ローン申込時には金融機関から求められた借入・分割払いなどを正確に申告しましょう。
残価設定型クレジットでも毎月の支払いが発生します。
自分で判断して申告対象から外すのではなく、分からない場合は住宅ローンを申し込む金融機関へ確認することをおすすめします。
車のローンがある人が住宅ローン申込前に確認したい5つのこと
住宅ローンを申し込む前に、次の5つを確認してみましょう。
①自動車ローンの残高
現在いくら残っているのか確認します。
②毎月の返済額
住宅ローン審査では、毎月・年間の返済負担も重要です。
③完済予定時期
あと数か月で完済する場合などは、その状況も金融機関へ伝えておきましょう。
④その他の借入
自動車ローンだけでなく、カードローンや分割払いなども確認します。
⑤完済後の手元資金
自動車ローンを一括返済する場合には、完済後に十分な現金が残るかも確認しましょう。
元銀行住宅ローンセンター担当として伝えたいこと
自動車ローンが残っていると、
「住宅ローン審査に落ちるのではないか」
と心配する人もいると思います。
しかし、
自動車ローンがある=住宅ローンを借りられない
ということではありません。
重要なのは、自動車ローンも含めて無理なく返済できるかどうかです。
一方で、自動車ローンの返済額が大きければ、住宅ローンの希望額に影響する可能性があります。
そのため住宅購入を考え始めたら、
「住宅ローンはいくら借りられるか」だけを見るのではなく、現在抱えているローンをすべて確認する
ことをおすすめします。
そして、住宅ローン審査を始めてから新しく自動車ローンを組みたい場合には、先に金融機関へ相談しましょう。
住宅ローンは融資実行されるまでが審査・手続きの期間です。
事前審査に通ったからといって、融資実行前に借入状況を大きく変えないことが大切です。
よくある質問
Q.車のローンが残っていると住宅ローンは借りられませんか?
いいえ。
自動車ローンが残っていても住宅ローンを借りられる可能性はあります。
ただし、自動車ローンの返済額は住宅ローンの借入可能額などに影響する可能性があります。
Q.住宅ローン審査前に車のローンを完済した方がいいですか?
必ずしも完済する必要があるとは限りません。
返済負担率や希望借入額、手元資金などを考えて判断します。
Q.車のローンは住宅ローン審査で分かりますか?
金融機関は住宅ローン審査で信用情報などを確認します。
借入を隠そうとせず、申込書などで求められた内容を正確に申告しましょう。
Q.住宅ローンの事前審査後に車をローンで買っても大丈夫ですか?
注意が必要です。
事前審査後に借入状況が変われば、その後の審査などに影響する可能性があります。
融資実行前に新しいローンを組む場合には、住宅ローンを申し込んでいる金融機関へ事前に相談することをおすすめします。
Q.残クレも住宅ローン審査に関係しますか?
毎月の支払いが発生する契約であるため、自分で「住宅ローンとは関係ない」と判断しないようにしましょう。
申告の取り扱いが分からない場合は金融機関へ確認してください。
まとめ|車のローンがあっても住宅ローンを借りられる可能性はある
自動車ローンが残っていても、住宅ローンを借りられる可能性はあります。
ただし、自動車ローンの返済額は住宅ローン審査に影響する可能性があります。
特に確認したいのは、
- 自動車ローン残高
- 毎月の返済額
- 完済予定時期
- その他の借入
- 住宅ローンの希望借入額
です。
そして住宅ローン審査中には、新しい自動車ローンを安易に増やさないよう注意しましょう。
住宅ローンと車の購入時期が重なる場合には、
「どちらを先に買うか」
も重要になります。
住宅ローンの事前審査から融資実行までは借入状況をできるだけ変えず、新しいローンが必要になった場合には住宅ローンを申し込んでいる金融機関へ相談することをおすすめします。


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