【元銀行住宅ローンセンター担当が解説】住宅ローン控除とは?2026年の仕組み・条件・控除額を初心者向けに解説

住宅ローンの基礎知識

住宅を購入するとき、

「住宅ローン控除ってよく聞くけど、結局どういう制度?」

と疑問に感じる方は多いのではないでしょうか。

私が銀行の住宅ローンセンターで勤務していたときも、

  • 住宅ローン控除でいくら戻るの?
  • 誰でも利用できるの?
  • 初年度は確定申告が必要?
  • 共働きやペアローンの場合はどうなる?

といった質問を受けることがありました。

住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して住宅を購入する方にとってメリットの大きい制度です。

一方で、

「住宅ローンを借りれば誰でも控除を受けられる」

というわけではありません。

住宅の種類や性能、入居時期、所得、住宅ローンの返済期間などによって適用条件や控除額が変わります。

今回は、元銀行住宅ローンセンター担当の経験も踏まえながら、2026年の住宅ローン控除の仕組みや条件、注意点を初心者向けにわかりやすく解説します。


住宅ローン控除(住宅ローン減税)とは?

住宅ローン控除とは、正式には**「住宅借入金等特別控除」**と呼ばれる制度です。

一定の要件を満たして住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合、住宅ローンの年末残高などを基に計算した金額を、所得税から控除できます。

所得税から控除しきれない場合には、一定の範囲で翌年度の住民税から控除される場合もあります。

簡単にいえば、

住宅ローンを利用してマイホームを取得した人の税負担を軽減する制度

と考えるとわかりやすいでしょう。

2026年の制度では、基本的な控除率は**0.7%**です。

ただし、

「住宅ローン年末残高×0.7%が必ずそのまま戻ってくる」

わけではない点には注意が必要です。

住宅の種類ごとに借入限度額が設定されているほか、実際に控除できる金額は所得税額などによっても変わります。


2026年の住宅ローン控除はどうなっている?

2026年度の税制改正によって、住宅ローン減税の適用期限は延長されました。

2026年1月1日から2030年12月31日までに入居する場合についても、一定の要件を満たせば住宅ローン控除を利用できます。

また2026年以降は、省エネ性能の高い既存住宅に対する支援が拡充されています。

住宅ローン控除を考えるときに重要なのが、

住宅の性能によって借入限度額や控除期間が異なる

という点です。

例えば住宅には、

  • 認定長期優良住宅
  • 認定低炭素住宅
  • ZEH水準省エネ住宅
  • 省エネ基準適合住宅
  • その他の住宅

といった区分があります。

さらに、

新築なのか、買取再販住宅なのか、既存住宅なのか

によっても制度内容が変わります。

そのため、

「住宅ローン残高が4,000万円だから、4,000万円×0.7%が控除される」

と単純に考えることはできません。

購入する住宅がどの区分に該当するのかを確認することが重要です。


住宅ローン控除はいくら受けられる?

住宅ローン控除の基本的な考え方は、

年末時点の住宅ローン残高等 × 0.7%

です。

ただし、住宅の種類ごとに借入限度額があります。

例えば年末の住宅ローン残高が4,000万円あったとしても、その住宅に適用される借入限度額が3,500万円であれば、原則として4,000万円すべてが計算対象になるわけではありません。

また、計算上の控除可能額が大きくても、納めている所得税などとの関係で全額を控除できない場合があります。

つまり、

住宅ローン残高が多いほど必ず得になるわけではありません。

住宅ローン控除を受けるために、必要以上に借入額を増やすという考え方は避けた方がよいでしょう。


住宅の種類によって控除額や控除期間が違う

2026年以降の住宅ローン控除では、省エネ性能などによって借入限度額や控除期間が異なります。

例えば2026年入居の場合、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅など、省エネ性能の高い住宅には比較的大きな借入限度額が設定されています。

また、一定の省エネ性能を満たす既存住宅についても、2026年度の制度改正によって支援が拡充されています。

さらに、一定の子育て世帯・若者夫婦世帯については、住宅の区分によって借入限度額が上乗せされる場合があります。

住宅購入を検討するときには、

「住宅ローン控除が使えるか」だけではなく、「購入する住宅がどの区分に該当するのか」

まで確認しておくことが大切です。

制度は改正される可能性があるため、契約時や入居時には国税庁や国土交通省などの最新情報を確認しましょう。


住宅ローン控除を受けるための主な条件

住宅ローン控除にはさまざまな要件があります。

代表的なものを見てみましょう。

自分が住む住宅であること

住宅ローン控除は、原則として自分自身が居住する住宅が対象です。

投資用物件や、自分が住まない住宅を購入した場合に利用する制度ではありません。

また、住宅の取得等から一定期間内に居住することなどの要件があります。


住宅ローンの返済期間が原則10年以上であること

対象となる住宅ローンは、原則として10年以上にわたって分割返済する一定の借入金等である必要があります。

そのため、短期間のローンでは住宅ローン控除の対象にならない場合があります。

また、繰上返済によって返済期間が短くなり、一定の要件を満たさなくなる場合にも注意が必要です。


所得要件を満たしていること

住宅ローン控除には所得要件があります。

2026年以降の制度では、原則として合計所得金額2,000万円以下であることが要件の一つです。

また、床面積40㎡以上50㎡未満の住宅について特例を利用する場合などには、より厳しい所得要件が設けられています。


床面積などの条件を満たしていること

2026年以降は、一定の場合に住宅ローン減税の床面積要件が40㎡以上となっています。

ただし、合計所得金額や子育て世帯等への上乗せ措置の利用などによって50㎡以上が必要となる場合があります。

床面積だけを見て「対象になる」と判断せず、その他の要件と合わせて確認することが重要です。


初年度は確定申告が必要?

住宅ローン控除を初めて受ける場合には、原則として確定申告が必要です。

「住宅ローンを組んだから、自動的に税金が戻ってくる」

わけではありません。

必要な手続きを行わなければなりません。

会社員の場合、初年度に確定申告を行い、2年目以降は一定の要件を満たせば年末調整で住宅ローン控除の手続きを行える場合があります。

また、現在は金融機関から税務署へ住宅ローンの年末残高情報を提供する**「調書方式」**も導入されており、対応する金融機関から借り入れている場合には、マイナポータル連携で年末残高情報を利用できるケースがあります。

手続き方法についても最新情報を確認しましょう。


共働き・ペアローンの場合はどうなる?

共働き世帯では、ペアローンを利用するケースもあります。

一定の条件を満たせば、夫婦それぞれが自分の住宅ローンについて住宅ローン控除を受けられる場合があります。

ただし、

「住宅ローン控除を2人で受けられるからペアローンの方がお得」

と単純に判断するのはおすすめできません。

ペアローンには、

  • 借入可能額を増やしやすい
  • 夫婦それぞれが住宅ローン控除を利用できる場合がある

といったメリットがある一方で、

  • それぞれが住宅ローン契約を結ぶ
  • 諸費用が増える場合がある
  • 出産・育児・転職などによる収入変化の影響を受ける
  • 離婚や相続などの際に複雑になる場合がある

といった注意点もあります。

住宅ローン控除だけでなく、家計全体や将来設計から判断しましょう。


繰上返済をすると住宅ローン控除はどうなる?

住宅ローン控除を受けている間に繰上返済すること自体は可能です。

ただし、繰上返済すると年末の住宅ローン残高が減るため、控除額に影響する可能性があります。

さらに注意したいのが、繰上返済によって住宅ローンの償還期間が10年未満になってしまうケースです。

国税庁によると、臨時弁済によって償還期間が10年未満となった場合、その年以後は住宅ローン控除の対象となる借入金に該当しなくなる場合があります。

そのため、

「住宅ローン控除を受けているけれど、まとまったお金ができたから一気に繰上返済しよう」

という場合には、控除への影響も確認しておきましょう。


借り換えをすると住宅ローン控除はどうなる?

住宅ローンを借り換えたからといって、必ず住宅ローン控除が終了するわけではありません。

借り換え後の住宅ローンが、従前の住宅ローンの返済のためのものであることや、住宅ローン控除の要件を満たしていることなど、一定の条件を満たせば引き続き控除を受けられる場合があります。

ただし、借り換えによって控除期間が最初からやり直しになるわけではありません。

借り換えを検討するときは、

金利低下によるメリットだけでなく、諸費用や住宅ローン控除への影響も含めて確認する

ことが大切です。


住宅ローン控除についてよくある勘違い

「住宅ローンを組めば全員利用できる」

住宅ローンを利用していても、住宅や所得、借入期間などの要件を満たしていなければ住宅ローン控除を受けられない場合があります。


「年末残高×0.7%が必ず戻ってくる」

必ずしもそうではありません。

住宅の区分ごとに借入限度額がありますし、所得税額などによって実際に控除できる金額も変わります。


「何もしなくても控除される」

住宅ローン控除には手続きが必要です。

特に初年度は、原則として確定申告が必要です。


「住宅ローン控除があるから借入額を増やした方がお得」

住宅ローン控除だけを理由に借入額を増やすのは慎重に考えましょう。

住宅ローンは長期間返済するものです。

税制上のメリット以上に、毎月無理なく返済できるかどうかが重要です。


住宅ローン控除だけを理由に家を買わない

住宅ローン控除は住宅購入者にとって魅力のある制度です。

しかし、

「住宅ローン控除があるから今のうちに家を買おう」

と税制だけで住宅購入を判断するのはおすすめできません。

住宅を購入すれば、住宅ローン以外にも、

  • 固定資産税
  • 火災保険・地震保険
  • 修繕費
  • マンションの場合は管理費・修繕積立金
  • 将来のリフォーム費用

などがかかります。

さらに、子どもの教育費や老後資金なども準備する必要があります。

住宅ローン控除は、あくまで住宅購入後の税負担を軽減する制度の一つとして考えましょう。


元銀行住宅ローンセンター担当として伝えたいこと

私が住宅ローンセンターで勤務していたときも、住宅ローン控除について質問を受けることがありました。

そのときに大切だと感じていたのが、

「住宅ローン控除のメリット」と「無理のない返済計画」を分けて考えること

です。

住宅ローン控除によって税負担が軽減されることは、住宅購入者にとって大きなメリットです。

私自身も住宅ローンを利用し、住宅ローン控除を受けています。

ただし、

住宅ローン控除を最大限受けることが住宅ローン選びの目的ではありません。

住宅ローンは20年、30年、場合によってはそれ以上続きます。

住宅ローン控除を受けられる期間より、住宅ローンを返済する期間の方が長くなるケースもあります。

そのため、

  • 毎月無理なく返済できるか
  • 教育費を準備できるか
  • 貯蓄を続けられるか
  • 金利が上昇しても対応できるか
  • 老後資金を準備できるか

まで考えることが大切です。

「いくら控除を受けられるか」より先に、「無理なく返し続けられるか」を考える。

これが住宅ローンを選ぶうえで非常に重要だと思います。


よくある質問(FAQ)

住宅ローン控除は誰でも利用できますか?

いいえ。

自分が居住する住宅であること、所得要件、床面積、住宅ローンの返済期間など、さまざまな要件があります。

購入する住宅によっても条件が異なるため、事前に確認しましょう。


住宅ローン控除の控除率はいくらですか?

2026年の制度では、基本的な控除率は0.7%です。

ただし、住宅の種類によって借入限度額や控除期間が異なり、実際に控除できる金額は所得税額などによっても変わります。


住宅ローン控除は何年間受けられますか?

住宅の種類や取得方法などによって異なります。

2026年以降の制度では13年間の対象となる住宅がある一方、10年間となる住宅もあります。

自分が購入する住宅の区分を確認することが重要です。


中古住宅でも住宅ローン控除を受けられますか?

一定の要件を満たせば、中古住宅でも住宅ローン控除を利用できます。

2026年以降は、省エネ性能の高い既存住宅について借入限度額の引き上げや控除期間の拡充なども行われています。


住宅ローン控除を受けるために借入額を増やした方がいいですか?

住宅ローン控除だけを理由に借入額を増やすことはおすすめできません。

控除額には上限がありますし、住宅ローンには利息も発生します。

控除額だけでなく、総返済額や毎月の返済負担を考えて借入額を決めましょう。


まとめ

住宅ローン控除は、一定の条件を満たして住宅ローンを利用してマイホームを取得した場合に、所得税などの負担を軽減できる制度です。

2026年の制度では基本的な控除率は0.7%ですが、

  • 住宅の種類
  • 省エネ性能
  • 新築・既存住宅の違い
  • 入居時期
  • 住宅ローン残高
  • 所得
  • 床面積
  • 返済期間

などによって適用条件や控除額が変わります。

そのため、

「住宅ローン残高×0.7%が必ず戻ってくる」

と考えないことが大切です。

そして住宅ローン控除以上に重要なのが、

無理のない住宅ローンを組むことです。

税制上のメリットだけで住宅購入や借入額を決めるのではなく、教育費や老後資金、将来の収入変化まで考えて返済計画を立てましょう。

なお、住宅ローン控除は税制改正によって内容が変わることがあります。

実際に住宅を購入する際は、国税庁や国土交通省の最新情報を確認し、個別の税務判断については税務署や税理士などの専門家に確認することをおすすめします。

プロフィール
この記事を書いた人

元銀行住宅ローンセンター担当。2児の父。
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー・住宅ローンアドバイザー。
銀行の住宅ローンセンターにて勤務し、
新規審査、借換相談、返済計画の見直しなど、
数多くの住宅ローン相談に携わってきました。

現場で強く感じたのは、
「知識があれば防げたはずの後悔」が非常に多いということです。

住宅ローンは人生最大の借入。
しかし、多くの方が十分に理解しないまま契約してしまい、
その後に不安を抱えるケースを何度も見てきました。

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それが将来の安心につながると考えています。

現在は情報発信やセミナーを通じて、
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