【元銀行住宅ローンセンター担当が解説】住宅ローン審査中にやってはいけないこと7選

住宅ローン審査

住宅ローンの事前審査や本審査を申し込んだ後、

「審査結果が出るまでは普通に生活していて大丈夫?」

「新しくクレジットカードを作っても問題ない?」

「車のローンを組んだら住宅ローン審査に影響する?」

と不安になる人もいるのではないでしょうか。

住宅ローン審査では、年収や勤務先だけでなく、現在の借入状況や返済負担、信用情報、購入する物件など、さまざまな項目が確認されます。

そして注意したいのが、住宅ローンを申し込んだ時点の状況が、その後も必ず同じとは限らないことです。

審査中に新たな借入をしたり、勤務状況が大きく変わったりすれば、金融機関への申告や再確認が必要になる可能性があります。

私は銀行の住宅ローンセンターで住宅ローン業務に携わってきました。

この記事では、その経験も踏まえて、

  • 住宅ローン審査中にやってはいけないこと
  • 新たな借入が審査に与える可能性のある影響
  • クレジットカードを作ってもいいのか
  • 転職するとどうなるのか
  • 審査中に状況が変わった場合の対応

について、初心者にも分かりやすく解説します。


住宅ローン審査中は「申込時から状況を大きく変えない」ことが大切

住宅ローン審査中に最も意識しておきたいのは、

申込時から自分の状況を大きく変えないこと

です。

住宅ローンを申し込むと、金融機関は申込時に提出された情報などをもとに審査を行います。

たとえば、

  • 年収
  • 勤務先
  • 勤続年数
  • 他の借入
  • 毎月の返済額
  • 信用情報
  • 購入物件
  • 自己資金

などです。

ところが審査中に新たなローンを組めば、借入状況や返済負担が変わります。

転職すれば、勤務先や勤続年数なども変わります。

そのため、

「事前審査に通ったから、もう何をしても大丈夫」

とは考えない方がいいでしょう。

特に本審査や融資実行までの間は、申込内容に大きな変更が生じる行動には注意が必要です。

それでは、具体的に住宅ローン審査中に避けたい行動を見ていきましょう。


住宅ローン審査中にやってはいけないこと7選

①新しくカードローンを借りる

住宅ローン審査中は、新たなカードローンの借入はできるだけ避けた方がいいでしょう。

住宅ローン審査では、住宅ローン以外の借入状況も重要な確認項目になります。

カードローンを新たに利用すると、

  • 借入残高が増える
  • 毎月の返済負担が増える
  • 申込時と借入状況が変わる

可能性があります。

住宅ローンでは、年収に対して年間の返済額がどの程度になるかという**返済負担率(返済比率)**も確認されます。

そのため、新たな借入によって返済負担が増えれば、審査に影響する可能性があります。

特に、

「事前審査に通ったから大丈夫」

と考えて、本審査までの間に新たな借入をするのは注意が必要です。


②車のローンを新しく組む

住宅購入と同じタイミングで車を購入しようと考える人もいるでしょう。

しかし、住宅ローン審査中に新しく自動車ローンを組むことにも注意が必要です。

たとえば、

年収600万円
住宅ローンの年間返済額120万円
自動車ローンの年間返済額36万円

だった場合、住宅ローンだけなら年間返済額は120万円ですが、自動車ローンを加えると156万円になります。

単純計算すると、

120万円÷600万円=20%

だった返済負担が、

156万円÷600万円=26%

になります。

実際の住宅ローン審査では金融機関ごとの審査基準などによって判断されるため、この数字だけで審査結果が決まるわけではありません。

しかし、他のローンを組めば返済負担が変わる可能性があることは理解しておきましょう。

車の購入を予定しているなら、住宅ローンの手続きが完了する前に自動車ローンを組んで問題ないか、住宅ローンを申し込んでいる金融機関へ事前に確認することをおすすめします。


③クレジットカードのリボ払いやキャッシングを増やす

住宅ローン審査中は、クレジットカードの使い方にも注意しましょう。

特に注意したいのが、

  • リボ払い
  • キャッシング
  • 分割払い

などです。

通常のクレジットカード利用と、借入を伴うキャッシングなどを同じものとして考えるべきではありません。

住宅ローン審査では信用情報機関の情報が確認されることがあり、借入や返済状況などが審査材料になる場合があります。

住宅ローン審査中に、

「家具を買うためにキャッシングを利用しよう」

「家電をまとめて買ってリボ払いにしよう」

といった行動を取る前に、一度立ち止まって考えた方がいいでしょう。

住宅購入直前は家具や家電などでお金が必要になりやすい時期ですが、住宅ローンの融資実行前に新しい借入を増やさないことを意識しておくことが大切です。


④支払いを延滞する

住宅ローン審査中だけでなく、普段から特に注意したいのが支払いの延滞です。

たとえば、

  • クレジットカード
  • カードローン
  • 自動車ローン
  • 携帯電話端末の分割払い
  • その他のローン

などです。

「数千円だから問題ない」

「うっかり引き落とし口座に入金するのを忘れた」

という場合でも、支払期日はきちんと管理する必要があります。

延滞の内容によって信用情報への登録のされ方などは異なるため、一度の支払い遅れだけで必ず住宅ローンに落ちるとは言えません。

しかし、住宅ローンを申し込んでいる大切な時期に、わざわざ支払い上の問題を作る必要はありません。

審査中は特に、

口座残高と支払日を確認しておく

ことをおすすめします。


⑤金融機関に相談せず転職する

住宅ローン審査では勤務先や勤続年数、収入などが確認されます。

そのため、審査中の転職には注意が必要です。

たとえば、

事前審査時
→A社勤務・勤続10年

本審査時
→B社へ転職・勤続1か月

となれば、事前審査時とは申込内容が変わっています。

もちろん、

転職したら住宅ローンを絶対に借りられない

という意味ではありません。

金融機関によって審査基準は異なりますし、転職の内容や収入なども含めて判断されます。

しかし、審査中に勤務先が変わるのであれば、金融機関への確認や申告が必要になる可能性があります。

すでに転職予定が決まっている場合には、隠したまま手続きを進めるのではなく、住宅ローンを申し込む金融機関へ相談することが重要です。


⑥申込内容の変更を金融機関に伝えない

住宅ローン審査中には、さまざまな事情が変わることがあります。

たとえば、

  • 転職した
  • 退職した
  • 新たなローンを組んだ
  • 借入額が変わった
  • 購入する物件が変わった
  • 資金計画が変わった
  • ペアローンや収入合算の内容が変わった

などです。

こうした変更があった場合に、

「言わなければ分からないだろう」

と自己判断するのは避けましょう。

住宅ローンは大きな金額を長期間借りる契約です。

申込内容に重要な変更が生じた場合は、金融機関へ確認することが大切です。

変更内容によっては再審査や追加書類が必要になる可能性もあります。

しかし、それを恐れて申告しないのではなく、状況が変わった時点で金融機関へ相談するのが基本です。


⑦事前審査に通っただけで大きな買い物をする

住宅ローンの事前審査に通ると、

「これで住宅ローンは大丈夫」

と安心する人もいるでしょう。

しかし、事前審査と本審査は同じものではありません。

事前審査後には本審査があり、その後も契約や融資実行などの手続きがあります。

そのため、事前審査に通った直後に、

  • 車をローンで購入する
  • 高額な家電を分割払いで購入する
  • カードローンを利用する
  • キャッシングする

といった行動をするのは慎重に考えた方がいいでしょう。

特に住宅購入では、

「新居に合わせて車も買いたい」

「家具や家電を全部新しくしたい」

となりやすいものです。

購入すること自体が問題なのではありません。

ポイントは、住宅ローンの審査や融資実行前に新たな借入を増やすことです。

大きな買い物を予定している場合は、住宅ローンの手続き状況を確認しながら進めましょう。


事前審査に通っていれば本審査も大丈夫?

事前審査に通過したことは、住宅ローン手続きにおける一つの重要な段階です。

しかし、

事前審査通過=本審査通過が保証されている

という意味ではありません。

本審査では提出書類などをもとに、より詳しい確認が行われます。

また、事前審査後に、

  • 借入状況が変わった
  • 勤務状況が変わった
  • 申告内容と提出書類に違いがあった
  • 物件に関する確認事項が生じた

などの事情があれば、審査結果に影響する可能性があります。

したがって、本審査が終わるまでは、

「もう審査は終わった」

と考えないことが大切です。


本審査に通った後なら何をしても大丈夫?

ここも注意したいポイントです。

本審査に通ったからといって、住宅ローンの手続きがすべて終了したわけではありません。

一般的には、その後に住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)などを経て、融資が実行されます。

本審査承認後から融資実行までの間に申込時の前提となる事情が大きく変わった場合には、金融機関への確認が必要になる可能性があります。

したがって、

本審査承認=融資実行までは何をしても問題ない

とは考えない方が安全です。

少なくとも融資実行までは、新しいローンを組むなどの大きな変更を予定している場合、事前に金融機関へ確認しましょう。


住宅ローン審査中にクレジットカードを使っても大丈夫?

通常の生活費などをクレジットカードで支払うことまで過度に心配する必要はありません。

重要なのは、

クレジットカードを使うことそのものではなく、借入や支払い状況を悪化させないこと

です。

たとえば、

  • 支払期日を守る
  • キャッシングを安易に増やさない
  • リボ払いを増やさない
  • 新しい借入を増やさない

といった点を意識しましょう。

住宅ローン審査中だからといって、クレジットカードを一切使えないわけではありません。


審査中にどうしても車を買う必要がある場合は?

生活上、どうしても住宅ローン審査中に車が必要になることもあるでしょう。

その場合に大切なのは、自己判断で自動車ローンを組んでしまわないことです。

住宅ローンを申し込んでいる金融機関に、

「住宅ローンの融資実行前に自動車ローンを組む予定があります」

と相談しましょう。

住宅ローンの借入額、自動車ローンの金額、年収、返済負担などによって扱いが変わる可能性があります。

現金で購入する場合でも、住宅購入に使う予定だった自己資金が大きく減るのであれば、資金計画への影響を確認しておく方が安心です。


元銀行住宅ローンセンター担当として伝えたいこと

住宅ローンの審査に通るために、

「審査中は何もしてはいけない」

と過度に神経質になる必要はありません。

普段通り生活しながら、クレジットカードで日用品を買ったり、公共料金などを支払ったりすることまで恐れる必要はないでしょう。

意識してほしいのは、

「住宅ローンを申し込んだときの前提条件を大きく変えない」

ということです。

特に、

新しい借入・転職・返済の延滞・資金計画の大幅な変更

には注意しましょう。

そして、状況が変わったときに最も避けたいのが、

自分で「たぶん大丈夫だろう」と判断して、そのまま手続きを進めることです。

住宅ローンの審査基準や手続きは金融機関によって異なります。

迷ったときは、住宅ローンを申し込んでいる金融機関へ確認してください。

住宅ローンは何千万円という大きなお金を借りる契約です。

融資実行までは、できるだけ借入や生活状況を大きく変えず、確実に手続きを進めることが大切です。


住宅ローン審査中にやってはいけないこと7選まとめ

最後にもう一度整理します。

住宅ローン審査中に特に注意したいのは、次の7つです。

  1. 新しくカードローンを借りる
  2. 車のローンを新しく組む
  3. リボ払いやキャッシングを増やす
  4. 支払いを延滞する
  5. 金融機関に相談せず転職する
  6. 申込内容の変更を金融機関に伝えない
  7. 事前審査に通っただけで大きな買い物をする

住宅ローン審査では、申込時の年収や勤務先だけでなく、他の借入状況や返済負担なども確認されます。

事前審査に通ったからといって、住宅ローンの手続きがすべて終わったわけではありません。

特に融資実行までは、

「新たな借入を増やさない」
「支払いを遅らせない」
「大きな変更があれば金融機関に相談する」

という3点を意識しておきましょう。

住宅ローン審査について正しく理解して、余計な不安やトラブルを避けながら手続きを進めることが大切です。

プロフィール
この記事を書いた人

元銀行住宅ローンセンター担当。2児の父。
宅地建物取引士・ファイナンシャルプランナー・住宅ローンアドバイザー。
銀行の住宅ローンセンターにて勤務し、
新規審査、借換相談、返済計画の見直しなど、
数多くの住宅ローン相談に携わってきました。

現場で強く感じたのは、
「知識があれば防げたはずの後悔」が非常に多いということです。

住宅ローンは人生最大の借入。
しかし、多くの方が十分に理解しないまま契約してしまい、
その後に不安を抱えるケースを何度も見てきました。

このサイトでは、
銀行実務での経験をもとに、
住宅ローンで後悔しないための考え方や判断基準を、
できるだけわかりやすくお伝えしています。

焦らず、納得して選ぶこと。
それが将来の安心につながると考えています。

現在は情報発信やセミナーを通じて、
住宅ローン選びをサポートしています。

tls202602をフォローする
住宅ローン審査
シェアする
tls202602をフォローする
元銀行ローンセンター担当が教える、失敗しない住宅ローン講座

コメント